知っておくと便利なトラブル対処法
2017.05.23

暖色の振袖

歴史の中で日本人の服装は、和服から洋装へと速やかに移り変わりを遂げました。かつて当たり前のように用いられていた着物は、今や特別なシチュエーションにのみ使用する、特別な品となりつつあります。
着物を通販で購入できるこの現在社会において、入手のしにくさという問題は解消され始めましたが、着物は日常的に着る、買ってしまえばあとは好きに着るだけの服と同じようにはいきません。着物があってそれを着付けられる人がいて、初めて和のスタイルは完成します。そうした服装としての着物の複雑さは、時に思いもよらないトラブルを呼び込んだりもします。
毎年多くの成人女性を悩ませている案件に、振袖の着崩れ問題があります。
振袖という服は、動きやすさを度外視して、美しさや華やかさを追求したものであり、長時間の形状維持には向きません。成人式からその後の集まりにと、半日やそれ以上の時間を振袖で過ごしていれば、最初がどんなに完璧に着付けられていたとしても、綻びは必ず出てきます。
綻びが生じやすいポイントは襟元に袖、おはしょり部分の三点で、いずれも弛んだり緩んだりと、時間の経過によってその程度を大きくしていく定めの上にあります。きちっとした着方が映える着物の緩さは、殊更に姿をだらしなく見せますから、気付いた段階で素早く対処するのが一番です。
着物の簡単なマナーを綴った、振袖の通販サイトのコラムなどでは、着崩れトラブルに対して、押し込む・引く・伸ばすの動作を行うとよいとのアドバイスがされています。
襟ならば帯揚げの中に、袖裾ならばおはしょりの下に、おはしょりは帯の内側にと、まず外に出てしまった部分を強引にでも元の位置に戻すのです。後は帯の下で余った布を引いて伸ばし、おはしょりを整えれば体裁も整います。
逆に帯がきつくて苦しくなってしまったという時には、帯の間に親指を入れて、指をゆっくりと滑らせば、簡単に緩ませることも可能です。とはいえ緩くし過ぎると、帯が留め具の役目を果たせなくなり、着物がはだけてしまいかねませんから、その時には対処は慎重に行いましょう。振袖を着たまま食事をする予定があるなら、着付けの段階で申告しておくと、食べた後におなかが苦しくなり過ぎないように調整してもらえます。
着物を快適に着こなすために、現在人はまず、着物の性質を知らねばなりません。その構造や水への弱さ、生地としての汚れへの耐性など、知っておけばいざという場面でもパニックにならずに済みます。着物への理解が、トラブル解消の鍵です。

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